ところで信玄を見てくれ。こいつをどう思う?

すごく…弱いです…。島根大学将棋部OBの信玄さんが気まぐれで更新します。

相振り奇襲②

 ばんなりまして。昨日の続きを書いていこうと思います。まず昨日上げた基本図から③▲3八飛の変化です。

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▲3八飛に対して後手は飛車を取るしかないですが、先手は2通りの取り方があります。▲3八同金と▲3八同銀です。順に見ていきます。

 

基本図より▲3八飛△同飛成▲同金△4五桂▲4八玉△5五角▲3七歩(▲2八銀は△5七桂成~△4九飛)△3六歩

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後手の攻めが刺さっています。以下▲5六銀には精算して△4四桂、▲2八銀には△3七歩成▲同桂△同桂成▲同銀△3六歩▲4六銀△同角▲同歩△3七銀・・・。▲1五角がちらつきますが、王手がかかっているため打てません。ならばと▲4八玉にかえて▲5八玉には、△5五角▲3七歩△3六歩▲5六銀△3七歩成▲同桂△同角成▲同金△同桂成▲1五角△4二銀▲3七角△2九飛

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これも後手が良さそうです。次に▲3八同銀です。

基本図より▲3八飛△同飛成▲同銀△4五桂▲5八玉(▲4八玉は▲3八金の変化と同様に攻めてよし。)△3七歩(△5五角は▲3七歩~▲5六銀で精算したあとにはなれ駒がなく苦戦)▲同桂△同桂成▲同銀△2九飛

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これはいい勝負です。どちらを持ちたいかといえば好みで分かれるでしょう。私は後手ですかね。

 さて、最後に基本図から▲3七歩の変化です。ちなみに▲3七歩△3四飛▲5六銀には△7四飛で千日手含みで指しましょう。△7四飛▲6七銀には一旦△6二玉としておいて飛車を振ってくれることを祈りましょう。

基本図から▲3七歩△3四飛▲8八飛△4五桂

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何度目かわからない桂跳ね。狙いは単純で次に△3六歩~△5五角です。先手の候補手としては、▲4八玉・▲4八金・▲4八銀といったところでしょうか。棋書に載っているのは▲4八玉なのでまずはこれからいきます。

上図より▲4八玉△3六歩▲2八銀△5五角▲3八金△3七歩成▲同桂△同桂成▲同銀△3六歩▲4六銀△同角▲同歩△3七銀▲5九玉△3八銀成▲同飛△3七歩成▲1五角△6二玉▲3七飛△同飛成▲同角△3八飛

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長々と進めましたがほぼ一本道です。飛車を下ろした局面ははっきり後手がいいでしょう。ちなみに棋書では△3六歩のところ△3七角成▲同金△3六歩としています。もし本譜と同様に進めると、上図で4六の歩が4七にいることになり、▲5五角と出られます。これでもいいかもしれませんが、本譜に比べると1段落ちます。

 次に▲4八金の変化ですが、まず私の実戦で一番多かった△3六歩に▲同歩の変化を紹介します。

▲4八金△3六歩▲同歩△5五角▲5六銀△1九角成▲4五銀△7四飛▲3七桂△7六飛

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これもほぼ一直線になります。飛車の逃げる位置は7四が大事です。後手は先手の大駒が働かないように気をつけながら指す必要があります。ちなみに上図で▲6五歩には△5五角が厳しいです。これも人によってどちらを持ちたいか変わると思いますが、私は後手を持ってみたいです。

 さて、これまでざっといろんな変化を見てきましたが、後手も面白く戦えることが多かったと思います。局面を見ていればわかると思いますが、後手は飛車角歩桂しか動かしません。先手の方が多くの駒を動かしていることが分かると思います。先手の方針としては駒の損得がなく、自陣に攻め込まれないよう局面をおさめることで、自然に指しやすくなると考えます。ではどうすればいいのでしょうか。

基本図より▲3七歩△3四飛▲8八飛△4五桂▲4八金△3六歩▲3八銀△5五角▲5六銀

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実は△3六歩に▲3八銀で大丈夫です。以下△3七歩成▲同桂に△同桂成には▲5五銀、△同角成には▲4五銀△4八馬▲同玉△3五飛▲4六歩で次がありません。おとなしく桂交換で満足してくれるなら、局面はおさまります。また△4五桂に▲4八銀として△3六歩に▲3八金もあります。が、その場合▲3八の金が浮いているので△3七同桂成を手抜けません。

基本図より▲3七歩△3四飛▲8八飛△4五桂▲4八銀△3六歩▲3八金△5五角▲5六銀△3七歩成▲同桂△同桂成▲同銀

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ちなみにこの局面、△1四歩や△6二玉が入っていると△3七角成で後手優勢です。もし三間が先手で3手目に9六歩をついているとこの受けは成立しません。本譜では王手龍があるため、△3七飛成といきますが▲5五銀で先手がよさそうです。△3四龍には▲5六角、△3二龍には▲6五歩といったかんじでしょうか。

 

 以上2回に分けて相振り奇襲の記事を書きました。昔からの相棒でほんとはもっと書きたい変化がありますが、この辺で自重しておきます。初見で対応するのは非常に難しいと思いますし、実際24では高段者相手に何度も勝たせてもらっています。ただしその結果最後に紹介した変化で、後手つまらない分かれになるようになりました。もしかしたら先手を持って悩んでいた方がおられるかもしれませんが、きっとこれで大丈夫でしょう。堂々と迎え撃って下さい。

 それではまた。

相振り奇襲①

 こんばんは。ご無沙汰しています、信玄です。前回記事から1年以上経過してしまいました。続きを書くと書いていたのに更新しなかったのにはいくつか理由があるのですが、ある方に書いていた変化を否定されやる気がなくなったのが主な原因です。どうも評価値をみると居飛車良しのようだということで、自分の感覚の悪さを自覚しました。まあそもそも卒論等で忙しくなっていったというのもあるのですが・・・。今年に入って知人が将棋ブログをはじめることが多かったので、そろそろ私も何か書きたいなと思い今回の更新になります。またドロンするかもしれませんが、その時はご容赦ください。

 

 さて、タイトルの「相振り奇襲」ですがご存知の方も多いと思います。角道を止める向かい飛車に対して、三間側が王様を囲わず桂馬を跳ねて攻めていく作戦です。『相振り革命』や『振り飛車奇襲戦法(2)』などで紹介されていたと思います。

相振り革命―相振り飛車の極意 (MYCOM将棋文庫)

相振り革命―相振り飛車の極意 (MYCOM将棋文庫)

 

 

 

 何を隠そう、私の高校時代のドル箱戦法で、当時は3手目▲7五歩に△4四歩のOPがそこそこありました。現在その出だしになることは希なので、今回は後手三間飛車からの奇襲を紹介しようと思います。

 

初手から ▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二飛▲6八銀△3五歩▲6七銀△3六歩▲同歩△同飛▲7七角△3三桂(基本図)

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 先手のオーソドックスな向かい飛車の出だしに対して後手は怪しげな桂跳ねです。これを基本図とします。ここから先手の対応として①▲8八飛②▲5六銀③▲3八飛④▲3七歩が考えられます。順に見ていきます。

 

①基本図より▲8八飛△4五桂

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 先手が向い飛車にしたところで後手は4五桂と跳ねました。ここまで無駄な手は一切なく、最短の攻めとなっています。ひと目は無理攻めに見えますがどうでしょうか。先手は次の△5七桂成(不成)と△3七桂成(不成)を防がないといけません。両方受けずに▲6五歩は△7七角成▲同桂△5五角で後手いいでしょう。また▲4八玉でも△5五角が厳しく、▲5六銀に△同飛▲同歩△1九角成で後手がいいです。上図では▲4八銀が最善の受けになります。

 

上図より▲4八銀△5五角▲3七歩△同桂成▲同銀△同飛成▲同桂△同角成▲6八玉△1九馬

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 △5五角は後手の狙い筋ですが今回の場合はどうか。上図は飛車と銀香の二枚替えで馬を作り、後手の駒得です。ただし居玉であるため、実際は難しい形勢でしょう。▲6五歩には△4四香、▲3三桂には△4二金~△3二銀です。

 △5五角にかえて△3七歩という手もあります。対して▲3九歩ですが△3四飛と引いて次の△2四飛を楽しみにします。一例として▲4八銀から△3七歩▲3九歩△3四飛▲4六歩△2四飛▲4五歩△2七飛成▲3七桂△3六歩(下図)

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これもいい勝負です。次に基本図から▲5六銀です。一度この攻めを食らった人が次によく取る手段です。単純に△4五桂を防ぎます。勿論△3四飛でも1局ですが・・・。

 

②基本図より ▲5六銀△6二玉▲8八飛△5六飛▲同歩△6七銀

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 後手の△6二玉をみて安心して向い飛車に振りますが、ここで飛車を切って△6七銀という手がありました。△4五桂と角道を通しながら△7六銀成を狙います。両方を受けるには▲7五飛しかありませんが、以下△5六銀不成▲5八金左△4五桂▲4八銀△7四歩▲同飛△5五角。

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 後手の攻めが細い気がしますが、受けきるのは中々大変だと思います。△6七銀は、はっとする攻めですが、実際はそう簡単に潰れることはありません。▲7五飛のところで、▲4六歩や▲5八金左~▲6八角でも難しいでしょう。

 

 今回はここまでです。また近いうちに更新したいと思います。

 

twitterタグより 対銀冠穴熊②

 こんばんは。昨日に引き続き銀冠穴熊との攻防を書いていきます。昨日は触れていませんでしたが、女流王位戦の3局目が三間飛車と銀冠穴熊でしたね。後手の里見先生は5筋の歩もつかず一直線に穴熊を組んでいましたが、先手は石田流に組み替える選択肢もありましたね。もし4六銀美濃を早めに組んで5五歩を見せると後手も5四歩とついたのでしょうか。この戦型は定跡が整備されていないためなかなかどんな展開になるのかわかりませんね。私がブログに書いているのも一つの可能性ぐらいに考えてもらえると幸いです。

 それでは続きです。前回は▲3五銀に❶の変化までやったので、今回は❷の△3四歩からいきます。△3四歩には▲3三歩が有力手だと考えています。没手順となりましたが当初は▲2四歩を主軸に考えていました。軽く紹介します。

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 まず△同銀ですが▲3四銀△2三歩に▲3三歩とします。△3一金には▲6八角が好手。次の2四角~2三歩が厳しいので△2五銀ですが▲同銀として3二の打ち込みを見てさせるでしょう。△3三金には3四銀打、3三角には▲2四歩です。よって▲3三歩には△同桂から精算するしかないですが、最後に▲3五歩と△3五桂を消しつつ次の▲3四桂をみせて先手やれそうです。

 問題は▲2四歩に△3五歩の変化です。以下▲2三歩成△同金右となった局面で手が難しいです。▲4四歩や▲3二歩、▲1五歩を考えていましたがどれも自信がありません。金の縦二枚並んだ形が相当堅いのです。よって没となりました。

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 いきなり横道にそれましたが、△3四歩に▲3三歩を検討します。これには△同桂が自然でしょう。かえて△3一金引は▲2四歩から▲3二銀、△3五歩には金をとって▲1五歩で戦えると思います。▲同桂成に△同角と△同金直がありそうですが、まず△同金直をみてみましょう。

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これには一旦▲4六銀と引いておきます。次に1五歩~1三歩~6五歩~2五桂の狙いが残っているので後手は△2四歩と受けますが、そこで▲6五歩△同銀▲5七桂で攻めを続けます。以下△7六銀▲3三角成△同角▲7六飛△9九角成▲7四飛で下図。

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一見7三歩でおさまりそうですが△7三歩▲5四飛△5二香には▲8三銀、△5二歩には▲4四歩でギリギリの攻めを繋げようとします。繋がっているかはわかりませんが、こうなるなら先手を持ってみたいと思います。

 次に△3三同角を検討します。これには▲2五桂とします。二枚替えの駒損の変化がちらつきますが大丈夫でしょうか。▲2五桂に△4二角も考えられ、まずこちらからいきます。

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 上図より▲2五桂△4二角▲3三歩△同金(△3一金は▲4四歩がある。以下△同歩は▲同銀△2四歩に▲6八角。△3五歩は▲4三歩成で△2四歩には▲6五歩△同銀▲4二と△同飛▲5三角で手が続く。)▲6五歩。

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▲6五歩で角道が通りよさそうに見えますが、攻めを繋ぐのは容易ではありません。△3五歩には▲3三桂成△同金▲4一金。△6五銀には▲3三桂成△同金▲5三金△同角▲3三角成△2二金▲3四銀。6四角に3七歩を用意しながら馬に紐をつけますがやや細いかもしれません。また▲3三桂成に△同角は▲同角成△同金▲4六角△6四角▲同角△同歩▲4六銀で難しい形勢です。

 次に問題の駒損の変化です。▲2五桂に△3五歩(下図)。

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図以下▲3三桂成△同金直▲6五歩△同銀(△5三銀は7一角~5三角成~4二銀)▲7一角△3二飛▲3五角成。

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駒割は角と銀桂交換の駒損。次に▲2四歩がありそうですが△3四歩~△3五桂とされるとちょっと自信がないです。実際はいい勝負ということで❷の変化はここで終わります。

 

 以上で①の攻防を終わります。振り飛車もしっかり銀冠に囲えていれば右辺から手が作れることがわかったと思います。なお後手が7四歩~6四銀ではなく4二銀と更に固くしようとした場合は、一度▲5八飛と牽制して△5二飛に5九飛~1八香~1九飛と地下鉄を目指すのもあるかなと思います。

 

 次に②の後手が穴熊のハッチを閉めずに銀を繰り出してきた場合です。

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①で解説したとおり次に△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△6四銀の仕掛けがあります。しかし①とちがってまだ銀冠に組めていない先手は3五歩~2五歩の反撃は反動がきついです。よってこの状態で手待ちして、▲6五歩というのが普通の指し方になりますかね。しかし、当然私はそんなことはせず右辺での手作りを目指して▲2七銀とします。果たして大丈夫なのでしょうか。

 

上図より、▲2七銀△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△6四銀▲3五歩。

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 囲いが完成していないうちに仕掛けられましたが突き捨ての歩は取っておいてからの▲3五歩ですね。①では▲3八金と完成した状態からでしたが、今回は金が浮いています。その代わりどこかで▲3八飛とまわることができます。ここで後手は同歩と7五銀にわかれます。まずは△7五銀からみていきます。

 上図より、△7五銀▲3四歩△同銀▲5五歩△同歩▲5九角。

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よく棒銀の銀を5段目に出させると振り飛車失敗と言われます。ですが、それは左辺だけで勝負するならの話で、今回は右に争点を求めるのでまた違ってきます。△7五銀には一度▲3四歩と取り込んでから▲5五歩と突きます。ダイレクトで6六角と出られるのを防ぎながら、5筋に歩が打てるようになる効果があります。▲5五歩に△3五歩とすると▲6八角△7六歩に一度▲3八金と締まっておいて、次に▲3五銀や▲5四歩を狙って戦えそうです。戦いの最中ですが、一度自陣に手を入れるのが呼吸ですね。最後5九に角を引くのがポイントで、次に飛車の転換を見せます。例えば次に△7六歩なら▲3八飛とまわって次に▲2五桂があります。防いで△3五歩なら▲3六歩と合わせて△同歩は▲同銀~▲3五銀直、他の手なら▲3五歩△2三銀▲3四歩△2二角▲2五歩とガンガン攻めます。したがってこの局面では一度7七歩と焦点に歩を打つのが良いでしょう。飛車が横に逃げると△8六飛で悪くなります。

 上図より、△7七歩▲同飛△7二飛▲3五歩△2三銀▲2五歩△同歩▲同桂△2二角▲3四歩。

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△7七歩は▲同飛と取るしかありません。ここで△8六飛もありそうですが、▲7五飛△8九飛成▲3八銀打△7三歩▲3五歩△2三銀▲7六飛と進めてどうでしょうか。がっちり銀を投入して鉄壁にして3五の拠点を作ってから、8六飛車のぶつけをみせます。龍は作られていますが駒得していて、玉の硬さも優っているので先手もやれるでしょう。よって、△7二飛ですが▲2五歩からこじ開けて▲3四歩。桂馬交換して7八飛~3八飛や5四歩など先手も手は作れそうです。△同銀には▲3三歩△2三金▲2四歩△同金▲2六歩として、△2三金には▲3五歩。また5四歩や飛車の転換を狙ってこれもやれそうです。

 局面を戻して、▲3五歩に△同歩の変化をみて今回は終わりにします。

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上図より ▲2五歩△7五銀▲2四歩△3四銀▲3六歩。

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3五歩~2五歩は①でも出てきた攻め筋です。2五歩を取る変化は後述します。

後手は▲2五歩に構わずに△7五銀と出てきますがそこで▲3六歩と合わせるのが好手。次に▲3五歩と銀が死ぬため後手も忙しいです。△同歩▲同銀△3五歩は構わず▲同銀直とゴリゴリいきます。なので△3六歩~△2四角と必死に受けますが・・・

 上図より△7六歩▲5九角△3六歩▲同銀△2四角▲3五歩△2三銀▲2五桂。

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▲3五歩~▲2五桂がひねった順で、次に端攻めや3七玉~2八飛などを狙っていて先手面白そうです。左辺で狙われた大駒を逃がしながら右辺で手を作り、狙いが見事に実現しました。

 最後に▲2五歩に△同歩と取る変化です。①と同じく▲2五桂~▲3五銀とします。

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後手は△2四歩と△3四歩が考えられますが、△2四歩には▲3四歩が狙いの一手。次に▲1五歩や▲3八飛があり先手は手に困りません。▲3四歩に△7六歩▲6八角△6六角は▲2二歩~▲2四銀や▲1五歩、▲3三桂成~▲2五歩など攻めて十分です。△3四歩には▲3三歩と打ちます。

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以下△同桂▲2四歩△3五歩▲2三歩成△同金▲3三桂成△同金上(△同角は▲2五桂~▲3四歩でよし)▲3六歩でどうか。先手玉は薄くあまり自信は持てませんが、これも右辺の戦いになり飛車も使えそうなので難しい形勢としておきます。

 

以上①でも見られた後手の仕掛けを見てきましたが、①と違って銀冠に組めてないものの、飛車の転換を含みに右辺で手を作っていきました。こういう指し方はとても怖いですが、これも一つの戦い方です。次回は△6四銀への▲3五歩~▲2五歩の仕掛けをみていきます。①とどう違ってくるのか注目です。お盆を挟むのでいつ書けるかは未定です。それではまた。

twitterタグより 対銀冠穴熊①

 こんにちは。お久しぶりです、信玄です。またもや一年近くあきましたが、今回もtwitterタグより、リプをもらった局面について書こうと思います。局面について書くといっても色々なアプローチがあります。前回は終盤の入口や中盤の終わりの局面だったので、形勢判断を元に指し手の候補を考えました。今回はまだ序盤なので、三間飛車側の方針を私なりの考え方で書く形にします。当然深く研究などしているわけではないので、間違ったことを言うかもしれませんが、その時はコメントなりtwitterなりで指摘してください。

 今回はフォロワーさんのE君のくれた局面で、先手三間飛車45歩46銀型4枚美濃対銀冠穴熊(適当な名称が思いつきませんでした。長い。)になります。銀冠穴熊といえば、将棋倶楽部24にてポナンザが指していた印象が残っています。それと少し前のNHK杯の久保ー千田戦で、千田先生が快勝していた記憶があります。久保ー千田戦は下の局面から▲2五歩△同歩▲1五歩と仕掛けましたが、やや無理気味であったように思いました。私なら単に▲4五銀と出て△5五歩▲6五歩のように進めてみたかったです。

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 少し脱線しましたが、今回リプをもらった局面は下のようになります。

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 先手は美しい4枚美濃囲いですね。後手は銀冠から穴熊にしたところです。分岐が写っているのでもうバレバレですが、まずこの局面から動くことを考えていました。しかし、▲5八飛△5三銀▲5五歩△同歩▲同銀に△8六歩▲同歩△8八歩と攻めあわれてみると、先手玉は不安定で、また有効な攻め筋も見つからず自信を持てませんでした。ならばと一度▲2八玉と入城してから動こうとも考えましたが、△4二金右が大きな一手で▲5五歩には△5二飛と回る手が間に合います。先手の陣形は主に対穴熊で使われる陣形で、普通は薄くなっている中央で動くのが狙いです。しかし後手の陣形を見てみると中央に金銀二枚がいるためこの状態で中央から動くのは理にかなっていないのではないかと思います。

 というわけで上の局面図からは一旦入城し駒組みを進めるのが普通でしょう。後手は中央を薄くして仕掛けられないように気をつけながら穴熊を目指すと思います。例えば単に△2二金~△3二金右とすると▲5八飛~▲5五歩と動かれる可能性もあるので、一旦△5三銀としてから金を寄るといった感じです。振り飛車側は銀冠を目指します。対して居飛車側は囲いは既に完成したので攻めを考えるのが普通です。振り飛車側は左銀を4六にもっていっているので角頭が手薄になっています。当然狙われるでしょうが、そこが腕の見せどころになります。たとえ左辺で悪くしても右辺で良くすればいいのです。しかも殆どの場合頭の丸い角は右側にいます。普通の対穴熊では左辺は流して中央に活路を求めますが、この戦型では右辺に求めるのが自然だと考えます。

 ここからは局面図からの進行例をあげます。①銀冠穴熊を完成させてからの△7四歩~△6四銀、②3二金4二金の形からの△7四歩~△6四銀の二つに分けます。

 

①局面図より

▲2八玉△4二金右▲3七桂△5三銀▲2六歩△2二金▲2七銀△3二金右▲3八金△7四歩▲7九飛

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 後手は△7四歩と仕掛けを見せてきました。次に△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△6四銀を狙っています。そこで一旦▲7九飛と引いておきます。すると△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△6四銀▲7四歩△7五銀▲5九角△6六銀の局面で飛車と角の当たりが弱くなり、▲7三歩成△8四飛▲6三と△7七歩(下図)と進むと7九飛の効果で▲同桂(△67銀成~△58成銀がないため)△8六飛▲6五桂△7七歩▲6九飛△8八飛成▲4八角で左桂が捌け、6六の銀取りを受ける手が難しい(△8六龍には一旦▲7九歩で桂馬とと金の活用が楽しみ)ので先手がさせそうです。

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 したがって後手は仕掛けを見送り△6四銀とします。振り飛車党としてはもう一手待つ(例えば9八香や1八香)のも有力だと思いますが、ここでは積極的に右辺から動いてみます。

上図▲7九飛から△6四銀▲3五歩△同歩▲2五歩△同歩(△3四銀には▲6八角)▲同桂△4二角(△5一角には▲6五歩が入り角道が通るので先手が得。以下△同銀は▲6八飛で銀を支えると角がのぞけなくなる。△5三銀には再度▲6四歩)▲3五銀(下図)

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 ここで後手の手は❶2四歩と❷3四歩でしょうか。まず❶から見ていきます。

 

❶上図より、△2四歩▲3三歩△同桂(△3一金は▲6八角)▲同桂成△同金直(同角は▲3四歩△4二角▲6八角)▲3四歩

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 △2四歩と桂取りをみせられもう先手は攻めるしかありません。先手は6八角や6五歩で角を使うことができると、だいぶ攻めやすくなります。桂交換して▲3四歩と打って上図。△同銀と△同金が考えられます。まず△同金は▲同銀△同銀に▲4六桂が急所。△2三銀と引くと▲6五歩△同銀▲6九飛△7三桂▲2二角成△同玉▲7七桂とガンガン攻めます。かえて△4五銀には、▲6五歩△同銀▲2二角成△同玉▲6九飛△7三桂▲6五飛△同桂▲3四銀△同銀▲同桂△3三玉▲4二桂成△同玉▲4六角

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 派手な攻めですが、決まっているかは微妙なところ。最後4六角で王手のラインを消しながら飛車を狙います。歩切れなのも痛く個人的にはあまり自信はないです。

 

 次に▲3四歩に△同銀ですが▲同銀△同金に今度は▲2六桂と打つのが急所。

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以下△3三金引に▲1四桂と端に飛びます。△2三金には▲3四歩が激痛なので同香ととりますが、▲1五歩から端攻めで先手もやれるでしょう。1九香がいなくなると飛車が回れるのも大きいです。

 

長くなったので今回はこの辺にしておきます。なるべく早く続きを書こうと思います。

将棋ウォーズ天帝戦団体の部

 こんばんは。ウォーズの新しい取り組みとして団体戦が始まりましたね。企画中というのは噂で聞いていましたが、面白い企画だと思います。今回は知り合いと組みましたが、知らない人と組むのも楽しそうですね。掲示板でいろいろ話してみたりとか・・・。ただ集計方法を見るに、課金しないと規定対局数には届かないみたいですね。ちなみに私は大会段位がぎり六段乗ったところです。これ以上・・・あがるかな・・・。

 

 昨日は弾丸メイン今日は10秒メインで半々ぐらいで50局到達しました。勝率は弾丸の方が高かったですね。10秒で強い人に内容負けてしまうとそのまま負けるのが多かったです。弾丸は時切れ狙いもあるので、内容負けててもチャンスはあります。(あるとは言ってない)その10秒の対局である六段の方と頻繁に辺り、穴熊に負け続けたので一局だけ振り返ってみます。

 

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 後手が私で5筋不突き穴熊に端桂から慣れ親しんだ手順で開戦しました。この仕掛けは後手良しと考えています。そのそも93桂に95角と取られることは少ないのであまりやる機会はないのですが、95角と取る将棋はほぼ間違いなくこの変化にできます。初見で角を59に引かれたのは自分の経験では一人だけです。進んで勝負どころに。

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 これは24の方で数局だけ試した変化です。飛車の打ち込みにこの金上がりは絶対手で24では飛車を切って金を打ち込んでいましたが正確にはどうやら切れているようです。しかし10秒ともありそちらを選択すべきでした。ここで「あれ87飛成で勝てるんじゃね?」と考えたのがハイライト。87飛成で金けがあれば98に打って詰むため、77歩にも取って一枚入るから勝ちやんと思ったのです。ところが・・・

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 飛成をタップしながら気づきました。△7七銀成▲同金右△同角成に▲8七金が当然の一手でこれで切れてます。慌てて龍を引きましたがここで引くようじゃおさめられて失敗です。何をやってるんだ・・・いつも通り飛車切ればよかったなぁと。ちなみにこの方には真部流で一勝したのみです。穴熊の強さを散々見せつけられたので、いつか三間の強さを見せれるように空いた時間にでもリハビリしていこうかなと思います。それと大会期間はまだまだ続くのでチームのために少しでも段位を上げれたらなと思います。短いけど終わり!

 

twitterタグの消化

 お久しぶりです。twitterのタグに便乗したので、リプライのきた局面について書こうと思います。にしても一年以上記事書いてなかったのか・・・。

 

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 まずこの局面。戦型は・・ゴキ中に丸山ワクチンで対抗して、振り飛車側が逆棒銀をしたのでしょうか。

 形勢判断ですが、1「駒の損得」は無し。ただ馬が出来ているので先手が若干いいと思います。2「駒の働き」は先手がはっきりよし。先手は遊び駒が無いのに比べて後手は24の銀と26の角が不安定です。3「玉の堅さ」これも3枚美濃に囲えている先手が良さそうです。4「手番」は後手ですね。

 以上から局面の形勢は先手が良いと判断します。それを前提に後手の指してを考えます。候補手として1「△3三銀」2「△4四角」3「△2八飛」をあげます。それぞれ見ていきます。

 1「△3三銀」は浮いている銀を引きつけながら馬の効きを止める手です。これには▲1一馬が自然です。▲1一馬とした局面は次に▲2五飛と打つ手が厳しいです。それを受けなければなりませんが、△2八飛とすると▲2五飛△3一金▲2六飛△同飛成▲2七香と進み、最後の香が厳しく先手優勢です。なので後手は△4四角とするのが自然でしょう。対して先手は▲7七桂。

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先手は次に▲4五銀と角を追う手と2筋に飛車を打つ手が狙いになります。後手は歩切れが痛いですね。後手の手は馬を追いやる△4二銀と飛車を先着する△2八飛に分かれます。

 まず△4二銀ですが、これには単に▲4四馬△同歩▲2二飛として先手が良いでしょう。△3一金には▲2八飛成と引きつけ後手から手はありません。

 次に△2八飛の局面を考えます。先手としては無条件に桂香を拾われるのはさけなければなりません。というわけでここは▲2七飛と合わせるのがいいと思います。 以下△同飛成▲同銀に(1)△4二銀は▲4四馬△同歩に一度▲3八銀としてどうか。△2八飛には▲2七角と飛車を閉じこめ、次に飛車を打ち込んで先手良さそうで す。後手としては歩切れで小技が効かないのが悩みです。逆に先手は2筋に歩が効くのが大きいですね。また△2八角は▲2二飛△1九角成▲2一飛成△3一金 ▲2四竜△2八飛に、▲同竜△同馬▲4七角と急所の筋に角を据えて8六香~7五桂を狙って先手良しでしょう。(2)△2八飛には▲1八銀と引き次に▲2七香が狙いになります。後手の飛車は桂香が拾えず、1八の銀は見た目は悪くても働いていると考えます。

 2「△4四角」ですがこれには自然に▲同馬△同歩▲2二飛と進めて先手が良さそうです。以下△2八飛▲2一飛成△5二金左に、またもや▲4七角の自陣角が急所を狙いながら桂取りを受けた手で先手はっきり良いでしょう。

 3「△2八飛」にはここでも▲2七飛と合わせるのがいいと思います。△同飛成▲同銀が角に当たり、△4四角は▲同馬△同歩▲2二飛で先手優勢。△3三銀は▲1一馬△4四角▲7七桂で1「3三銀」で述べた変化に合流します。

 一つめの局面については以上をもって先手良しと結論づけます。次の局面は以下になります。

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 居飛車振り飛車の対抗形、急戦の将棋ですね。まず形勢判断ですが1「駒の損得」は無しです。2「玉の堅さ」は圧倒的に先手ですね。何より3三の金が悪い形です。3「駒の働き」は五分でしょう。振り飛車の角はよく効いている印象です。4「手番」は先手です。総合的に見て先手少し指しやすい形勢でしょうか。

 しかしここで先手の手は広く何を指せばいいか悩ましいです。ひとめは▲5五歩ですが△同歩▲同角△7三歩でどうするか。▲5四歩と垂らしてみたいですが、すぐ△5三歩と合わせられてもよくわかりません。そこで局面に戻りますが自分なら▲1五歩としてみたいです。次に▲1四歩と取り込めれば大きいので当然△同歩ですが▲1三歩と垂らしてどうでしょうか。

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△同香には▲1二歩として次の▲1一歩成が受かりません。△2二玉には▲1一歩成△同玉▲4六角がありますね。なので、▲1三歩には△7三桂や△4四歩といったような手になると思います。▲1五香とはしって良くなれば簡単ですが、▲1五香には△1六飛という手があり簡単ではありません。以下▲1二歩成から香交換になりますが形勢は何とも言えません。歩損していますが後手は飛車を手放しています。私は先手を持ってみたいかなと考えます。

 

 以上twitterでもらった局面を簡単にですが考えてみました。中盤の指し手は非常に選択肢が多く、自分の候補手以外にもたくさんあると思います。あくまでも私の考えですので、何か気になることがあればリプとばしてやってください。それと、このタグは非常につかれたのでもうしないでしょう。ブログはこのまま消すのもなんなので、そのうちまた記事を書ければなと思います。それではまた。

春中四レポ5

こんばんは。ようやくラストレポに取り掛かれました。今回時間がかかったとは言え一ヶ月以内に終わらせれたので十分ですね。秋お蔵入りにしたのもあってもう個人で楽しむものにしてもいいんじゃないかと思いましたが・・・。ひょっとしたらそのうち消すかもしれません^^;;

では続き。

 

 

友人のアパートでぐっすり寝れたおかげで体調は万全・・・と言いたいところでしたが蕁麻疹先生が発症。まぁ対局前なのもあると思いますがここまで極端に出られるとね・・・。個人戦二日目の空気は苦手なのでそれもあったかもしれません。というわけで会場へ。

 

 

早めについて心を落ち着かせようといろんな人とお話してましたが、頭の中では未だ指す戦法が決まらずぐるぐるぐる。時間たくさんあるし何さしても一局だとは思ったんですがね・・・。そうこうしてるうちに席について対局開始時間へ。振り駒の結果私が先手になり、その瞬間筋違い角で行くことを決めました。

 

 

対局相手の織田君はノマ4のイメージが強かったですが、KKSもだいぶ採用しており、私の対KKSは夏休みで止まっているので真正面から受ける自信はありませんでした。また普通の相振りはそもそも指したくないので▲7五歩も▲6六歩も却下。よって自分のペースで指したいがための選択でした。

おそらく予想されているだろうなと思いながら進めると、相手の方は最強の対策である4筋位取り型の腰掛け銀へ。この作戦は、部室で何度も先輩にやられ、そして勝てなかった作戦で正直一番やられたら困る作戦でした。一応対策()も用意してましたが気づけば間に合わない局面に。何をやってたんだろ・・・ほんとに。

 

 

というわけで自分のペースで指すとは何だったのか、そんな中盤戦でした。自陣の制約が多すぎて駒組が難しすぎる。向こうは難なく飛車を振り、絶好のタイミングで飛車を回られ不利は明らか。苦し紛れに開戦したものの当然向こうがいい。その後もしっかり踏み込んでこられ形勢は必敗。どうしようもない。負けを意識し自分の体がどんどん盤から離れていくのを感じながら後悔していると、読みに入ってない銀打ちが飛んできました。そこからどうも向こうの様子がおかしく、ミスに動揺されたのか手順に龍が離れていき、こちらの玉が広くなっていく。

形勢自体は難しかったのかもしれませんが、自信とやる気がみなぎってきたのを感じ、要所でノータイム指しなどさっきとは態度が一変。好調状態のように手が見え、そのまま押し切ることができました。これで西日本は決定。

 

 

少し休憩を挟み、次は学名をかけて岡理のACEこと沖くんと。長い時間ではこれが初対局。対局前私がトイレに行っている隙に王と玉を入れ替えるという小癪な手を使ってきましたが有無を言わさず玉将を取り返しました。まずは一歩リード。

 

戦型は私のノマ3に沖くんの天守閣美濃へ。去年これで沖田先生に勝ってましたね。3筋の歩を突かずに4枚美濃に囲おうとしてきたので、当然石田に組もうと突っ張ると、5筋から動いてきて開戦。45歩44銀型の石田に組みたかったのですが45歩を先に突かずに角を上げたため5筋の一歩を使って24歩~35歩が当然の仕掛け。とはいえこの瞬間飛車交換してしまうと私の玉の方が薄い+角が使えないのでしばらく我慢することに。いつもなら悲観している局面ですが、こんな局面でも我慢の末に勝つあこがれのノマ3党を思い出し、私にも出来ないわけがないと必死に手順を読みました。

 

 

結局銀損したものの二枚飛車になり、また歩の垂らしが効くので容易ではない局面に持ち込むことに成功。底歩を効かされ硬いものの上部に手がかりさえ作れば何とでもなると思っていました。そのつもりでよく読み、金を中段に打ち付けたのですがこれが疑問手。数手進んで気づいたのですがどうやら頭の中で金を一枚余分に手持ちに入れていたようで、この手順なら勝ちだと思った局面が勝ちになっていなかったのです。それでもまだ難しかったみたいですが、以下粘る手順を選ばず(そもそもそんな手順なかった説も)そのまま負け。なんとも悔いの残る対局になりました。

 

 

放心状態でお昼に。なんと岡理の山内さんにおごってもらいました。いや・・・ほんとありがとうございました。おかげで午後からも頑張れたと思います(*´ω`*)

 

 

準決勝がやっているなか自分は5位~8位決定戦へ。初戦の相手は岡理の山本君。右四間の人ですよね。右四間の対策がふっとんでしまっていたのでどう誘うか悩みましたが結局53銀型四間飛車へ。向こうは穴熊ではなく端玉銀冠だったので、無理に仕掛けず64銀型高美濃に組んでひたすら手待ち。手待ちったら手待ち。

 

 

いい加減やる手も無くなり困っていると、一番いい状態で37に桂馬を跳ねてきたので、行くしかないと桂頭の歩をついて開戦。45歩と反発され難しいなぁと思いながら指しすすめると、手順前後の攻めをしてきたので飛車頭に歩が間に合い急に有利に。こちらの玉は固く二枚角では寄らないので二枚飛車+と金の攻めを間に合わせてはっきり勝ちに。指したあと手順前後に気づかれたらしく、緊張されていたのかもしれませんね。というわけで6位は確定です。

 

 

5位決定戦は高知工科の森尾さんと。岡村君の後輩らしいですね。前日オールだったらしく対局の間に寝ておられました。この後も高知に真っ直ぐ帰られるそうなので寝過ごさないか勝手に心配してました。

初手合いなので何が来るのかわからなかったですが、とりあえずノマ3に・・・しようと思ったのですが飛車先を決めてこなかったので石田にする手もあったかもしれません。しませんが。相手の王様は一直線に穴熊へ。自分はいつも通り銀を64に繰り出し、66歩と受けられたので袖飛車穴熊へ。以下7筋を押さえ込んだのですがなんと飛車を振って取り返しにこられました。無理に歩切れになることもないと自陣に手を入れてましたが、中々歩を打って収めてこられなかったのでそれならばと開戦。筋ワルの金打ちに始まり脳筋な攻めでしたが、受けるのが難しい形だったのと対応を間違えられたのもあり角と、かなけ三枚の交換で駒得になり有利に。その後もミスなく指せ快勝。5位入賞でした。

 

 

 

今回団体は降級、自身も3-2と内容も成績も振るわず、また個人戦でも悔いの多い将棋が多く、中四に合わせて万全の準備をしたと言えない結果になってしまいました。頼りにしていた先輩方が抜けられ、自分がその代わりになろうとしたものの空回ってしまい、とても残念でした。秋こそは・・・と思うのですが先のことはわからないです。今、降級をうけ部員一人一人がきっと思うところがあると思います。秋まで5ヶ月、そのあいだに長期休みも挟みます。運営もあり大変だと思いますが、中四が終わってから後悔しないよう、5ヶ月過ごして欲しいです。

 

 

 

これで今回のレポは終わりです。これを期にブログも更新していきたいのですが・・・気が向いたらにしておきます。それでは。