相振り奇襲①
こんばんは。ご無沙汰しています、信玄です。前回記事から1年以上経過してしまいました。続きを書くと書いていたのに更新しなかったのにはいくつか理由があるのですが、ある方に書いていた変化を否定されやる気がなくなったのが主な原因です。どうも評価値をみると居飛車良しのようだということで、自分の感覚の悪さを自覚しました。まあそもそも卒論等で忙しくなっていったというのもあるのですが・・・。今年に入って知人が将棋ブログをはじめることが多かったので、そろそろ私も何か書きたいなと思い今回の更新になります。またドロンするかもしれませんが、その時はご容赦ください。
さて、タイトルの「相振り奇襲」ですがご存知の方も多いと思います。角道を止める向かい飛車に対して、三間側が王様を囲わず桂馬を跳ねて攻めていく作戦です。『相振り革命』や『振り飛車奇襲戦法(2)』などで紹介されていたと思います。
振り飛車奇襲戦法〈2〉阪田流向かい飛車・奇襲袖飛車・相振り奇襲 (将棋必勝シリーズ)
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何を隠そう、私の高校時代のドル箱戦法で、当時は3手目▲7五歩に△4四歩のOPがそこそこありました。現在その出だしになることは希なので、今回は後手三間飛車からの奇襲を紹介しようと思います。
初手から ▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二飛▲6八銀△3五歩▲6七銀△3六歩▲同歩△同飛▲7七角△3三桂(基本図)
先手のオーソドックスな向かい飛車の出だしに対して後手は怪しげな桂跳ねです。これを基本図とします。ここから先手の対応として①▲8八飛②▲5六銀③▲3八飛④▲3七歩が考えられます。順に見ていきます。
①基本図より▲8八飛△4五桂
先手が向い飛車にしたところで後手は4五桂と跳ねました。ここまで無駄な手は一切なく、最短の攻めとなっています。ひと目は無理攻めに見えますがどうでしょうか。先手は次の△5七桂成(不成)と△3七桂成(不成)を防がないといけません。両方受けずに▲6五歩は△7七角成▲同桂△5五角で後手いいでしょう。また▲4八玉でも△5五角が厳しく、▲5六銀に△同飛▲同歩△1九角成で後手がいいです。上図では▲4八銀が最善の受けになります。
上図より▲4八銀△5五角▲3七歩△同桂成▲同銀△同飛成▲同桂△同角成▲6八玉△1九馬
△5五角は後手の狙い筋ですが今回の場合はどうか。上図は飛車と銀香の二枚替えで馬を作り、後手の駒得です。ただし居玉であるため、実際は難しい形勢でしょう。▲6五歩には△4四香、▲3三桂には△4二金~△3二銀です。
△5五角にかえて△3七歩という手もあります。対して▲3九歩ですが△3四飛と引いて次の△2四飛を楽しみにします。一例として▲4八銀から△3七歩▲3九歩△3四飛▲4六歩△2四飛▲4五歩△2七飛成▲3七桂△3六歩(下図)
これもいい勝負です。次に基本図から▲5六銀です。一度この攻めを食らった人が次によく取る手段です。単純に△4五桂を防ぎます。勿論△3四飛でも1局ですが・・・。
②基本図より ▲5六銀△6二玉▲8八飛△5六飛▲同歩△6七銀
後手の△6二玉をみて安心して向い飛車に振りますが、ここで飛車を切って△6七銀という手がありました。△4五桂と角道を通しながら△7六銀成を狙います。両方を受けるには▲7五飛しかありませんが、以下△5六銀不成▲5八金左△4五桂▲4八銀△7四歩▲同飛△5五角。
後手の攻めが細い気がしますが、受けきるのは中々大変だと思います。△6七銀は、はっとする攻めですが、実際はそう簡単に潰れることはありません。▲7五飛のところで、▲4六歩や▲5八金左~▲6八角でも難しいでしょう。
今回はここまでです。また近いうちに更新したいと思います。